…東の鉱山…ープルム、その真の力ー

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…東の鉱山…ープルム、その真の力ー

「うっおぉぉ!?」 かろうじてトンファーで十字を作り防御したエルはあまりにも突然の出来事に混乱した。 (待て待て待て…随分と穴ン中に入ったはずだ…どういうこった…!?いきなり外?…いや、寄生体バスターオークは…後…ろ…だ…) 殺気を感じたエルは体を仰向けの体を反転させ、魔棍棒の一撃を避けた。 エルは外に出て初めて気付いたことがあった。 「なんだ…その足?いや…尻尾?」 そう寄生体バスターオークは【プルム】の魔力により下半身は蛇のような体になってしまった。 「フン…これぞ【プルム】に受け入れられた証。生き残る為の進化だ…ハァッハハハ!!死ね!!旧き人の子よ!!」 魔棍棒の振り下ろした。 (隙だらけ…しかも丁度良い間合い。受けてそのまま返せる。地面にぶつけて誇りが立っちゃ見えねーし…このまま押し切れ…!?) エルは右手のトンファーで防御状態、左手はカウンター状態は整っていた。 それまでは良かったのだ。しかし【プルム】を使い、魔力を限界以上に引き出した魔棍棒の振り下ろしを、高が炎の魔力を帯びたトンファー一本で受けれるはずがなかった。 エルは【プルム】の魔力に直接攻撃を受けた。 常人ならば体中の魔力が破壊され、死を迎えるが、エルは熟練の魔法使い。 魔力を破壊され、吐血で済んだのだ。 これは奇跡に近い。 約100メートル。 これはエルは吹き飛んだ距離だ。 「珍しいなぁ…まだ生きてるな、この人間。」 低い笑い声、地を這う尾、魔棍棒を振るう音が朦朧とした意識の中、仰向けのエルには聞こえる。 (かぁーっ…きくね…本当に…強…ノヴィエラ王が求めるわけだ。ん?コイツよく考えればベースはバスターオークだろ?……。なら…方法は一つだ!!) エル飛び起き軋む体の痛みに顔を歪めたあと不気味に笑みを浮かべた。 「っつ……クククク…」 魔棍棒を振るう音と地を這う尾の音が同時に止まり、寄生体バスターオークが身構えた。 「なんだ?」
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