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シンのくだらないお喋りに疲れて窓の外を見る。
空には雲が出てきている。
紺色が黒色になっていた。
シンはあたしが話しを聞いていない事を悟ったのか、やっと食事に手を付け始めた。
「温泉行きたいね。」
あたしが誰に言うでもないようにつぶやくと嬉しそうに顔を上げる。
「予約しとくよ。」
シンは素早く食べ終わり、いつの間にか煙草に火をつけていた。
あたしは店の中では煙草を吸わない。
煙草を吸う時間は大事な時間だから、食器の音がたくさんするようなところでは吸わない。
シンはまた機嫌良く温泉の場所について話し出す。
あたしはなんとなく返事をする。
それがシンとの日常。
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