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その時間は、あたしが「何もいらない」と思っていても「何も入ってこない」とは違う。
玄関のチャイムが鳴る事もあるし、携帯がデリカシーのない音楽を鳴らして響く事もある。
ゴミ収集の音楽が入ってくる事もある。
そんな風にあたしの「フワフワのケーキ」は見事に「硬いコンクリート」になってあたしを弾き返すんだ。
今日はまだいい。
あたしの携帯は甘いR&Bを流し始めた。
それでもやっぱり少し不機嫌になりながら携帯を手にとる。
液晶画面には知らない番号。
あたしはボーっと無意識に通話ボタンを押した…。
それが本当に「可哀想なあたし」の始まりだったのかもしれない。
あたしは自分をちっとも可哀想だなんて思わなかったけど。
でも人から言わせればあたしは「可哀想」。
もう一つは「自業自得」。
いつだってそれはあたし以外の人が決める「あたし」。
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