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「もしもし。」
あたしが言い終わるか終わらないかぐらいでシンが話し出す。
「カオリ何してた?」シンとは2年くらいの付き合いになるけど、いつも電話をしてくる度に勢い良く話し出す。
「別に何も。」
あたしが答えるとシンは少し笑った。
「どうせボーっとしてたんだろ。飯食い行こうぜ。俺スロット勝ったから。」
あたしは自分の行動を読まれてた事に居心地の悪さを感じながら、夕暮れの空を見上げた。
空の色は綺麗なオレンジ色。
「マンゴープリンかぁ。」
あたしが答えにならない答えをすると、シンが更に笑いながら言う。
「今駅前だから、すぐ迎えに行くよ。」
あたしの返事を待たずに電話が切れたので、あたしはもう一度ベランダに戻った。
今度こそは、ゆっくりと煙草を吸う。
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