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「正直あの優男は権力をつかう事と研究にしか脳がない。
戦闘力では明らかにこちらが上だ。使えるだけ使ってやれ」
紫髪の少女はズバスバと悪口を言っている。
政府要人にひどい言い草だ。と裕一は呆れた様に笑いながら言う。
「力になってもらえるぶんは力になってもらうよ」
「うむ」
紫髪の少女は髪をがぶりと噛みながら返事をする。
「…………001?」
さて休むか、と裕一が腰を浮かす瞬間に、不意に背後から声が聞こえた。
裕一が振り向いてみると、すぐそこに青髪の少女、No.000が立っていた。
「お、No.000、起きたか」
裕一は立ち上がってふらついているNo.000を立ち上がって支える。
「姉様……」
紫髪の少女、No.001はふらりとNo.000に近づくと、
「お仕置き」
No.000をぶん殴った、グーで。
「いったぁぁぁぁ!!」
殴られたNo.000は吹っ飛び、受け身も取れず壁に激突した。
びし、と壁にひびが入り、裕一はうわぁと声をあげた。
「ぜ……001……? どうしたの?」
妹に殴られて目を白黒させている。
「馬鹿ぁ!!!」
No.001の怒号。
どうやら本気で怒っているご様子。
「今のは私を置いてった分」
No.001はツカツカとNo.000に歩み寄ると、
「これは、姉様が培養機割ったせいで私が割れた培養機の後始末しなきゃいけなくなった分」
再度殴る。
「これはSAM壊滅させた分
私がとばっちりうけた!」
また殴る。
「これは前私のプリンを勝手に食べた恨み」
またまた殴る。
プリン関係あるのか?
と裕一が下らない事を考えていると。
「心配したんだぞ……!」
2人はひしと抱き合った。
裕一は話の展開に着いて行けていない。
「ごめんよぉ!001……!」
なんか殴り合った後に抱き合うなんてとてもシュールである。
「……なんなんだこいつら」
裕一半ば呆れたように言う。
しかし目の錯覚か、抱き合った2人の周辺にピンク色のオーラが見える気がする。
「益々なんだこいつら……」
いけない雰囲気に突入しそうだったので取りあえず声をかけてみる。
ってかこいつら顔近い顔近い。
「お~い、俺今から飯を食うがお前らも食うか?」
何気なく言った一言に2人は過敏に反応して、
「食べる!!」
と、寸分の狂いもなく同じタイミングで言った。
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