ムネリン動物日誌

タイリクモモンガ

ペットとして入荷してくるモモンガには主に、タイリクモモンガ、アメリカモモンガ、フクロモモンガ等がいる。
フクロモモンガはモモンガと名前は付いているが、実はコアラやカンガルー等の有袋類の仲間なのだが。
普通のペットショップではやはり一番懐きやすいフクロモモンガを扱ってるところが殆どだ。
だが、うちの店ではタイリクモモンガを仕入れる事にした。
理由はただ単純に、売ってないから。
雑誌でしか見た事ないし、自分達が見たいという理由も大きかった。
大きさはシマリスより少し大きいくらいで、色は茶色、目が大きく、かわいらしい顔をしている。
なかなか懐かないのではという当初の心配とは裏腹に、うちの店にやってきたタイリクモモンガはケージ内から愛想を振り撒き、人懐っこかった。というか、なんだか馴れ馴れしいような、ずうずうしいようなやつであった。
とにかく人を見るとなにやらケージごしにアピールしてくる。
おやつの林檎でもねだっているのか、ただ単にかまってほしいのか…
特に朝は寂しかったのかアピールが凄い。
朝店を開け、ケージの掃除をしたりするのは弟に任せていたのだが、ある日、弟が店の中に入るといつものように激しくアピールするタイリクモモンガが。
だが、朝はいろんな生き物のケージの掃除や餌やり等で忙しい。
とりあえずモモンガは無視しておいて弟は作業に専念する。
それでも激しくアピールし続けるモモンガ。
ちら見しながらも再び無視して作業する弟。
無視する弟に対し、基本的に声を出さないモモンガはケージをガチャガチャ揺らしてアピールする。
それでも気にせず無視する弟。
モモンガのケージの側で作業していたその時❗
弟の首筋に生暖かい液体が❗
振り向くとそこにはまるで笑っているかのような顔をして、嬉しそうにケージ内から弟を見ているモモンガが。
あまりにも無視する弟を振り向かせる為、モモンガはおしっこを弟にかけたのだった…