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タンザニアンモンスターオオヤスデ
一度、巨大なヤスデを仕入れた事がある。
タンザニアンモンスターオオヤスデ。
太さは大人の親指くらい、長さは25センチくらいだった。
ヤスデを簡単に説明すると、見た目はムカデとダンゴムシの中間みたいなやつ。
というか長いダンゴムシのようなやつだ。
動きは遅く、ムカデのように刺したりする事はない。
危険を感じると、柑橘系のような臭いのする液体を出す。
この液体には弱いが毒があるらしい。
昼間はほとんど渦巻き状に丸くなっていて動かない。
日本にもいるが小さく、2センチほどだ。
俺は仕入れたヤスデの迫力に驚いた。
まさかこんなにデカイとは。
価格的にも安く、お客さんにはきっと評判がいいに違いない。そう思ったのだが…
確かにお客さんの反応はよかった。「すげ~❗」とか「でけぇ~❗」とか。
だが、「珍しいけど飼いたくない」とか「見るのはいいけど、気持ち悪くて家にいるのは嫌だ」とか…
普通はそうだよね…
こいつにはよく見ると、小さいダニのような寄生虫が付いている。
背中にいる時に、セロテープとかで引っ付けて取り、駆除しようとするのだがこいつが以外と素早い。
危険を感じると素早くヤスデの腹側に回ってしまう。
ある日、確か8月頃だったと思うが、家にヤスデを持ち帰り、餌をやった時に蓋を閉め忘れてしまった。
気付いた時には遅く、ヤスデはいなくなっていた…
寝てる時とかに出てきたら嫌だな~とか思いながら月日が経ち、すっかりヤスデの事は忘れていた。
少し寒くなってきた11月のある日、夜中に目が覚め、ふと枕元を見るとなんと❗ヤスデが這っているではないか❗
思わず驚いて「うおっ❗」と声を出してしまった。
戻ってきたヤスデを観察してみると、あのダニのような寄生虫は一匹もいないようだ。
どこに行ったんだろう⁉
家のどこかに居たら嫌だなぁとか思ったが、おそらくは寒さで死んだのだろう。
まぁヤスデが家の外で他人に発見されなくてよかったよ(笑)
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