始まりはいつだって唐突なんだよ

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黒い光の向こうで獣が咆哮をあげる 重く、相手を威圧する恐ろしい咆哮だ 耳の鼓膜が破れそうだ、俺はとっさに耳を塞ぎ目を堅く閉じた そして 横を鋭い風が薙いだ、その風はそのまま何事もなく俺の後ろに抜けて行った 俺は後ろを恐る恐る確認した 獣がいる 俺に後ろ姿を見せ何かを咥えていた それは恐ろしく他人事のように思えた だって、おかしいじゃないか そんなものがあるはずが、そこにあるはずではないのに そこにあるのは俺の左腕だった 「嘘だ・・・嘘だ!腕が・・・・・ぁぁ・・・・ああああぁああぁああっ!!!!!」 両手で顔を覆う その行動がさらに自分を混乱させる
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