始まりはいつだって唐突なんだよ

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すると誰かが軽い足音をたててこちらに向かってきた。 「おにいちゃん大丈夫!??」 扉越しの話しかけてくるのは妹の結衣だろう。 「ぁぁ・・・大丈夫だ・・心配いらない。」 どうやら声は押し殺したようだが音のほうはどうにもならなかったみたいだ。 俺は落ちたままの体制で声を絞りだしていた。 「ほんとかなぁ・・・まあいいや早く下におりてきなよ?朝ごはん出来てるよ~」 大丈夫と言った手前なんだが、もう少し心配してくれたらおにいちゃんはとっても嬉しいのだがそれはそっと自分の中にしまっておこう。 「わかったよ、着替えたらいくから」 「は~い」 俺は手早く支度をし、カバンをひっつかんで部屋を開け、下に降りた。
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