蕎麦屋にて

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蕎麦屋にて

    さて、七味をとるか…。    男が、そう思った時だった…。  カウンター席だったのだが、隣の人が先に七味を取った。  仕方なく、反対側を見れば、ソチラの七味は切れている…。        待つか…。   そう思ったのが、運のつきだった…。   コイツ…かなりの量をかけている…。 俺もかなりかける方だが、コイツ程じゃ無い…。      やっと終わったか…。   ん??さ…、3振りで終わったぞ!?  こ…コイツ…、ほぼ使いきりやがった…。       注意すべきか?   ここは、「次の奴の事を考えろ」と      注意すべきなのか?  いや待て!!俺だって結構使う方なんだ!!    その俺が、人の事言えんのか…!?  いや、でもアイツの方が使ってたじゃないか!!  その時彼の目に、反対側に座った男がオリジナル七味を出したのを見た。        そうか…。 マイ七味を持った無かった俺が悪いんだ…。         …?        いや、待て…。       アレだけ使うなら、   マイ七味を持っておくべきなんだ…!!    つまり…、俺は文句言える!!      「おい、アンタ…!!」     隣を見ると誰もいない…。 「お客さん、そこの人ならもう帰ったよ…?」       店長に言われて、     男は黙って席に座った…。
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