0人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
私は何か温かいものに包まれた
それが彼の腕だと気付くのに時間はかからなかった
私は彼に身をまかせた
爽やかなそよ風が二人を包み込むように吹いた
桜の花びらを運んで…
「美早…好きだよ…」
彼は耳元で呟いた
「この前とおんなじだね…」
「ああ…」
私達はそのままお互いの温かみを身体で感じあった
言葉なんて必要なかった
こうしてるだけで幸せな気持ちになれる
「…愁」
私は彼を呼んだ
「ん?」
彼の顔がとても近かった
…唇が触れ合う
…
「お礼ね」
恥ずかしいから早口で…
「ありがと」
桜の舞う中で私達はいつまでも
いつまでも…
最初のコメントを投稿しよう!