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―あの時
雨が街中を濡らしていた
そして、僕と君の身体も
僕が差し出した傘を君は断った
だから僕も傘を差すのを止めた
君は、濡れるよ、って
僕は、平気だよ、って
二人は笑った
雨の降る中で
二人は身体を濡らして歩く
くだらないことを話ながら
ねぇ、彼女は言った
何、って僕は答えた
何で傘、貸そうとしてくれたの
顔を赤らめながら彼女は言った
雨に濡れる君が
綺麗で、儚くて
好きになったから
って、僕は答えた
雨の降り続く中で
二人は唇を重ねた
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