魔獣

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普段なら まだ幼い子供達が 遊んでいる公園。 私は日影にある ベンチに 腰を下ろした。 …アレが「魔獣」。 私が目で 捉えたのは 白い毛で 身を纏った トラのような 体長3・4メートル はある生物だった。 4つ足で立ち、 胴体には 翼が生えていた。 通常のトラと 酷似しているが、 口から生えた 牙はとてつもなく デカかった。 アレで 噛み付かれたら あの化け物でも 一たまりもないだろう。 足から生えた爪も 太く鋭く、 牙まではいかないが 引っ掻かれたら 内臓まで 飛び出してきそうだ。 『…コワッ……。』 自分で想像して 身震いした。 あんなのに 右腕を 喰いちぎられるのか……。 もしかしたら 右腕と言って 胴体全て 喰われてしまう かもしれない。 そうなったら困る。 私はまだ死にたくない!! 何とかして アイツを 説得しなくては。
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