魔法書

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『それはアンタの じゃない!! アンタはさっき 拾ったって 言ってたでしょ!?』 とにかく今は 説得するしかない。 化け物が 近付いて来てる っていうのに、 何でこんなコトで タイムロスしなくちゃ いけないんだよ!! 『本当は貰ったのよ!! だからコレは私のモノよ!!』 『嘘付かなくていいから 早くソレを渡して!! ソレはアンタが 持っていても 何の役にも 立たないモノなの。』 『イヤッ!!!! コレは私の!! 私はコレで 「悪魔」を 召喚するのよ!! 願い事を 叶えてもらうの!!』 …願い事? 「悪魔」がそんなコトを? 私はアズへ 目を向ける。 『馬鹿を言うな。 悪魔はそんな お人よしじゃない。 第一、お前に 悪魔なんて 召喚出来ない。』 アズは萩浦菜月に 対して冷たく言った。 …当たり前だ。 願い事を 叶えてくれる奴 なんて お伽話に出て来る 人のいい妖精だけだ。 現実はそんなに 甘くない。
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