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――麻理?俺頑張るから
お前の自慢になれる様に男もっと磨いて、その力で稼いで、沢山贅沢させてやるから。
――麻理、幸せにするから!
『前から火、失礼します』
麻理に貰ったライターを今日も使い客に火を点ける。
酒を飲み、必要とあれば手を握り肩も抱く、チープな甘い言葉を吐き、気持ちのない笑顔で向き合い、今日も客を相手にする。
――俺の為、麻理の為。
最近は客からのプレゼントも増えた。
「これプレゼント!カートン3つね!」
『助かるねぇ!サンキュ!』
つっても、タバコに始まり香水やピアス、そんな小物が多いけどそれでいい。
俺が欲しいのは物じゃなく数字、高価な物を貰うならその金を店で使い、俺の登る階段となってもらう。
俺は麻理さえ居れば他に物欲なんてないんだ。
――そう、物を買うなら酒を頼め
『ボトル空いちゃったけどどする?』
「んじゃワインでもいっちゃおうかなぁ!」
『そうこなくっちゃ!』
空いた焼酎の口に詮を締めながら鈍い笑顔で次のボトルを要求。
――そうだ!今更安い酒を俺に飲ませるな
――俺の事が好きなら俺に似合う酒を入れろ
何色の酒だ?
何の種類だ?
俺に言わせるなよ?
お前の飲む酒は好きにすればいい
俺はそんなの飲まねぇ
安い酒ならヘルプと仲良く飲んでりゃいい
――テーブルを綺麗なボトルで……俺共々彩れッッ!!!
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