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プレゼントは、何の記念日でもないし結局凝った渡し方をしないで最初に渡す事にした。
喜んでくれたらテンションも上がって1日ご機嫌でいてくれると思ったから。
『投げないで、それプレゼントなの!!』
「え?プレゼント?誰の?何の?誰か誕生日?まさか……浮気のお詫び……」
…………。
『何で誰かの誕生日に俺が麻理にプレゼントすんだよ!お詫びって何だ!!』
「冗談ですよ?お兄さん!」
口許に指を当てておどけて笑う麻理。
――きついわ!!
「何でプレゼントなの?なんかあったの?」
プレゼントを両手で抱えながら俺を覗き込む様に尋ねる麻理。
『俺さ、もう少しでNo.1なれるかも知れないんだ、今はまだNo.3だけど!』
「え?そう、なんだ……」
――トーンが下がった?
『あれ?嬉しくない?』
「ううん、凄いじゃん!流石まこだね!!」
―…気のせいか!
『それでさ、麻理になんか買ってあげたくてさ!』
「そっかぁ、無理しなくていいのに」
『無理なんかしてねぇよ、これからもっと稼いで麻理に贅沢させてやるし、No.1になってもっと麻理の自慢になれる様に頑張るから!』
「うん……応援してるよ、まこ」
―…得意げな遊人に対し、麻理は両手に抱えたプレゼントを何処か寂しげに見つめていて、前を向いて運転している遊人は気付かない。
『ねぇ!開けてみてよ!』
――喜んでくれるかな!
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