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車は予約した美容室へ。待つ間、俺は暇でテーブルにあった知恵の輪で遊んでた。
――これ、見た目からして無理じゃね?
四角い箱型から鍵を抜く、力は入りませんって、力入れても抜けねぇし!
麻理が終わるまでおよそ30分、複数あった知恵の輪を1つも攻略出来ず、持って帰って来た。
『解けたら返すわ!』
「じゃぁ、返ってこないね!」
『るっせー!!失礼な!』
ニコニコきつい事言うなヘッポコ美容師め。
「ねぇ、似合う?」
少し伸びた毛先をカットして綺麗にアップされた髪を少し触りながら少し照れて言う麻理。
――麻理、似合うに決まってるよ!
『この知恵の輪の如く早く繋がりたいっす!』
「汚い……」
汚いって……口から出た言葉と心で思った事が逆だったみたい……
『んじゃ次行こう!』
「うん!」
車に乗り込みエンジンを掛けて動き停止。
『……』
「どうしたの?」
『……何処行く?』
決めてないっす。順番間違えた。髪やる前に麻理と愛を育めば良かった……
ここで運動会したら折角のアップが崩れるしきっと怒られる。
『うぅ……』
「まこ?」
『麻理……やりたい…』
「は?」
――くっそー!!
『餌、やりたい……です』
「餌?」
『水族館でも行きますか?』
「浴衣で?」
『うぅ……』
「いこ、水族館!!」
ニコッと薄いグロスの掛かった可愛い唇を開き笑顔を見せてくれた麻理。
『おーし、待ってろよ皇帝ペンギン!!』
いざ水族館へ!
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