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「お前のテーブルぶち壊したのこいつだぞ?いいのかよ!」
「それはテメェだろがっ!」
それでも二人は止まらなくてなすり合うんだ。
『いいから!!確かにやり過ぎだけど大丈夫問題ない!なんとかすっからもう止めろって!』
強く言い放ち、直後大きく溜め息を吐いて二人を必死に宥める。
「俺はよ、同い年の代表として遊人には頑張って欲しいんだよ!」
軽く息を切らしてシンは俺に言う。
「テメェの考えなんぞ知るか!クソがっ‥」
トオルは舌打ちをしながらロッカーに平手を突き出しバンッと叩き、シンをきつく睨んで部屋を出て行った。
「わりぃ、トオルも悪い奴じゃねぇんだけどさ……」
『気にしてないからいいけど、大丈夫なの?』
ドカッとパイプ椅子に腰掛け頭を掻く仕草を見せるシンに、俺は二人の関係を心配した。
俺と銀みたいになるんじゃないかと思って。
「後でもう一回話するから大丈夫、迷惑かけてわりぃな!」
『いいよ……大丈夫』
「んじゃ俺は仕事戻るわ!今度お詫びに飯でも奢るよ!」
そう言って席を立ち、手を軽く上げてフロアへと戻って行った。
『…………』
――何だったんだ?
良くわかんねぇけど、でも、《同い年の代表》として、そう言われて嬉しかった。
周りは皆敵で、最近出来たと思っていた仲間も、俺が勝手にそう思ってるだけなんじゃないかと不安だったんだ。
――代表、か……
そこへ入れ代わる様に蓮さんが入って来た。
「ん?遊人、またサボりかな?」
少しだけ口角を上げて近くの椅子に座り缶コーヒーを開ける。
『おはよっす!今出勤すか?もう5時前っすよ?』
「あぁ、もうそんな時間か……そうそう、今揉めてなかった?おかげで入り損ねたんだけどさ」
『えっ!?それはっすねぇ……』
クスッと笑ってコーヒーを飲む蓮さんにいきさつを話した。
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