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「ふ-‥ん、あの二人がねぇ」
『なんかあるんすか?』
何かありそうな顔をして曖昧な返事をする蓮さんに不安そうに尋ねたが……
「あいつらは……」
『はい』
「何時まで経っても仕事を覚えないんだ!困っちゃうね?フフ」』
蓮さんは目を閉じてしみじみ答える。
『へ?』
思わずトーンの高い変な声を出してしまった……
――たっぷり間を空けてそれかよ!
「んー、彼等はどうにも成長しなくてねぇ、成績も良くないし頑張ってもらいたいんだけどこれが中々……」
長く伸びた足を組みながら髪をサラっと掻きあげる。
『そ、そすか……』
「それに比べて遊人、君の才能は俺も聖夜も高く評価してるよ?」
『あ、有り難うございます!』
蓮さんに言われるとホントに嬉しい、そこら辺のちょっといい女に口説かれるより、全然嬉しい。
「ただ、君には決定的に欠けている物がある」
――え?修也さんにも前に似たような事を言われた……
『それ、一体なんすか?修也さんにもそんな様な事言われたけど教えてくれないんす』
「それを考えるのも勉強さ!」
それを聞いて、蓮さんは下を向いて軽く微笑んだ後立ち上がり、そう告げて部屋をドアを開けた。
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