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薄暗い光が見えた。オレが行くべき地獄だ。直感で確信した。
だが、復讐を果たしたオレは満足感でいっぱいだ。
これはどんな地獄で苦しもうとも、失われることは無い。
新しい世界、地獄へ着いた。お、おかしい。何だここは。
見慣れた風景。見慣れた顔ぶれ・・・教室だ。
「な・・中川!?」
「お帰り、よくもやってくれたな。」
痛い、また口の中が・・・これじゃ何も変わらないじゃないか!
死ぬだけ無駄だったんじゃないか!!
「だから自殺はいけないって言っただろう。」
壁際に立っていたのはウィカだった。さらに言葉を続けるウィカ。
「何も変わらないワケじゃない。ここは地獄だ。見ろよ。」
血に遮られる視界に写った人・・・カオリさん!?
「血は飲み込みなさいね。汚いから。」
中川に肩を抱かれたカオリさん
・・・キミまで・・・。
薄れ行く意識の中でウィカの言葉の続きが聞こえた。
「ここじゃ もう死ねないね。」
〈完〉
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