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機械仕掛けの透明スーツ
ここは近未来、ジャポーネ。
ここ数十年、科学者の画期的発明が大流行。
猫も杓子も発明に精を出していた。
しかし、必ずしも皆が文明に貢献する発明をするとは限らない。
科学による犯罪を抑制するために、その罰則は厳しいものになっていた。
しかし、闇の天才科学者と呼ばれる彼、ウィカポン博士は罰則を恐れなかった。
発明が悪いのではない。使う人間が悪いだけなのだ。
それが彼の持論だった。
「これが透明になれる発明品か!」
例によって博士の前には、いかにも悪人顔の客人がいた。
「そうじゃ。ちょっと見せてやろう。と言っても見えんがな。」
そう言いながらキラキラ輝く全身タイツを着る博士。
「おいおい。全然見えてるじゃねーか。と言うよりそんな目立つ全身タイツ着てりゃ余計怪しいぞ。」
「まぁ見ておれ。数秒の我慢じゃ。」
「おお!?」
男の視界から博士が消えた。
「す・・すげぇ!どうなってんだ!?」
コン
「痛ぇ。何しやがる!」
「ほっほっほ。イタズラじゃよ。移動したのも見えまい。」
「確かに!しかし、どんな原理なんだ?」
博士は透明スーツを脱ぎながら説明した。
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