祝福の国

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信じられない光景を目の当たりにして、心が折れそうになるアルシオンを、結希が勇気づける。 「アルシオン、私が1体を相手にします。後ろからアマテラス達が来ているので、それまで持ちこたえて下さい」 冷静な結希の言葉に我に返ったアルシオンは、遅れて来ていた蛮族に強力な突きを放ってから、奥の2体に向かう。 ちょうどその頃、瑠可は2体目の敵を素早く倒したところだった。 一瞬にして状況を判断した瑠可は、結希の所へ向かう。 「アルシオンなら大丈夫だ。それよりナイフだけしかない結希の方が心配だ」 そう判断を下し、戦っている結希と蛮族の後ろから、首に向かって剣を振り落とす。 その瞬間、蛮族の首と体が離れて、結希の白い肌と黒髪に赤い液体が降り懸かる。 少し不満げな顔をした結希達の横を、レイピアを持ったアマテラスとヅミーが走り抜けて行く。 「後は三人に任せておけば大丈夫でしょう」 「そうだな、こちらの方が多かったら、蛮族なんかにはやられないさ」 肩で息をしながら、瑠可は前方で戦っている三人を見ながら呟く。 一時程戦闘が続いていたが、瑠可の言った通りに、誰ひとり命を落とす事なく勝負はついた。
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