とある歌とお姉さん

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「お~い!祐希、今日もお願いね~!?」 いつもの帰り道、ボロアパートから俺を呼ぶ声が聞こえる。 「…今日もですか~?」 若干面倒臭そうに俺が答える。 「いいじゃん!部活とかやってないんでしょ!?真っ直ぐ家に帰っても、やる事ないでしょ~!?」 (それはそうだけど…) 「彼女にもフラれちゃったしね!?ぷぷっ!」 「なにおう…」 ちょっとムカッとした。 彼女と別れて…、いや、この無神経なお姉さんと出会ってから、1週間が経った。 あれから毎日、俺はボロアパートのお姉さんの部屋に来ている。 「じゃあ、今日もお願いね?先生」 「…先生は止めて下さい」 …どうして毎日このボロアパートに来ているのか、話しは1週間前に遡る。
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