モノクロの翼

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「くっ。いくら漆黒の翼と言われているあんたでも間合いに入らなければ……」 その瞬間、戸叶の周りの空気が引き裂かれた様にブンッと鈍い音をあげる。 男が戸叶の顔面1cm手前の所まで拳を突き出すと静止させたのだ。 「俺の制空権の範囲は昔の倍、その威力は更に倍だと思え。次、八蛇である俺に歯向かったら殺すと一樹に伝えておくんだな」 戸叶は格の違う化物の力を見せ付けられ恐怖した。 「はい……禎清さん。」 戸叶は松本を蹴り飛ばすと、そそくさとその場を立ち去っていった。 松本は起き上がると恐れながら禎清の顔を見上げた。 「ひっ。すいません。あんたが八蛇最後の男と言われる、あの漆黒の翼だなんて知りませんでした。」 「いいからうせろ。雑魚」 こうして その場にいた黒龍連全ての男達は禎清のとてつもない力の前に逃げ去っていった。
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