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【双頭の悪意】かつて彼の方と言われる男に最初に認められた存在
一番奥の席を1つ空けて両角にはその山崎鳴魅と山崎羽厳が対面して座っている。
羽厳は空気も凍てつく様な眼光で鳴魅を見詰めていた。
鳴魅はその視線の意味を知りつつ最近はずっと無視し続けていた。
その様子を見ていた鳴魅の隣に座る男がニヤリと嘲笑し鳴魅に呟いた。
「兄弟喧嘩している場合じゃねーぞ。お前等は2人で一人前なんだからな」
男の全身は痛々しい程に包帯で覆われていた。そしてその包帯の隙間から指を滑らせ鼻先を掻いた。
その仕草はなんとも滑稽でクシャクシャにした顔面は包帯越しに鳴魅を一層不機嫌にした。
「貴様如きが俺に喧嘩売って勝てると思っているのか?」
「ああ。今の俺ならここにいる誰にも負ける気はしないねぇ。」
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