八蛇

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それらの会話を流す様に、低音でゆっくりとした口調で話し出す男がいた。 「では会議をはじめようか」 あれ程仲の悪い八蛇のメンバーですら、この声に抗う者はいない。 組織でいえば古参であるこの男こそ、八蛇のメンバーに戦闘訓練を行った実力者である。 まるでその低い声の根底にあるのは深い深い地獄の様な闇。 彼が名前が蓮華という事もあり彼と共有する時間を八寒地獄の最下層に例えられ【地獄に咲く蓮華】と呼ばれていた。 八蛇のメンバーですら、彼と対峙した時に最初に覚えた恐怖や関わる毎に凍てつく心が、この男の威厳として心に残っていたのだ。
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