八蛇

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伊吹の話しが終わると異議ありげに鳴海が顔をしかめる。 「ちょっと待て、ウイルスではなくなったのか?」 それに答えたのは蓮華だった。 「ウイルスでは建物が残ってしまう。最先端の科学を使った爆弾だ。一発の威力だけで都内全域が壊滅する」 鳴海は尚更不満そうな顔をして噛み付いた。 「被害が大き過ぎる……どうやら会議ではなく、またただの命令の様だな。それは構わないが俺達八蛇の上にはあなたを含めていったい何人の黒幕がいるんだ?」 1番奥の席でただ黙々と話を聞いていただけの、この会議の主役は、鳴海に指差しで指名されると立ち上がる。 「いい加減黒幕は俺達自身だと自覚しろ。例えその新時代に俺達が受け入れられなかったとしても、その為に何が犠牲になろうと、自らの意志で悪行の数々を行う事を誇りに思え。お前の発言は組織の不安要素になりかねないぞ」 その男の鋭い眼光により鳴海は目線を外した。 「わかりました……キング」 キング そう呼ばれたのは八雲の兄、太陽。 太陽は最愛の人の命と引き換えに、心を無くし目的の為なら何でもする悪魔へと変貌していた。
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