-対面-

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──────────── ───────── 美術館への道をゆっくり歩く俺。 あぁ、そういえば自己紹介がまだだった。 俺の名前は、葉山 航【ハヤマ ワタル】。年齢は16歳。元服は恥ずかしながら、先日終えたとこだ。 そして、ここは義理と人情の江戸。わりと近代的…って言うのか……? テレビや冷蔵庫があるのは勿論のこと、飛行機なんかもウジャウジャ飛んでたりする。 簡単に言えば、あんた達の住む時代に似てるかな。唯一違うとしたら、時代と風景。 知っての通り今は江戸時代だし、この時代の風景は教科書に載ってる絵図と同じような感じ。家も服も“和”だ さて、説明もこの辺で終わり。 そろそろ美術館に着く頃だ。 ──────────── ─────────── ─────── 「……えー、」 美術館に着いた。が、なにやら警察がわんさか居る。 蟻の行列ですか? 美術館の入り口の方で「警備を固めておけ」という声。 ……もしかして、予告状のアレか。やー、あんな紙切れ一つで大変だねぇ、警察も。 とか何とか考えていたら目に入った浅葱色。その淡い色に目を奪われること数分。嫌でも目につく文字は、己の中の何かを騒(ザワ)つかせた “誠” 誰もが知る武装集団、新撰組である。 .
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