-対面-

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「……、」 どうしたものか…。 中に入りたくても新撰組が居るし、何よりも『KEEP OUT』のテープが張り巡らされいて、一般人が入場できるスペースなんて無いに等しい。 「んー…、あ。裏口から入ればいいんじゃね?」 思い立ったらすぐ行動すべし。有言実行が俺のモットー。 ──────────── ─────── 「おー、やっぱ凄ぇな……」 美術館に入り込むことに成功した航は展示物に釘付け。先程から「凄い」という感嘆の声が止まない。 「さーて、と。お目当てのモノを探しますか!」 しかし、意気込んだはいいものの、どこに何があるのかも分からないためウロウロ徘徊中。 隠れることもせず、彷徨えば 「おい、お前。そこで何をしている」 見つかるのも必然的なのである。 「っ……!」 突然だったこともあり、ビクリと体が震えた。声を出さなかったのを褒めてほしいくらいである。 「いったい誰が」と、よく考えもせず、その声を発した人物に向き直ったことは馬鹿だと思う。 後悔先に立たず。昔の人はよく言ったものだ。 「ココ、立ち入り禁止って知ってたか?」 (ヤバいヤバいヤバい。……修羅場来たんじゃね?) 「聞いてんのか、コラ」 聞いてねーよ、コラ! .
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