-対面-

4/5
前へ
/162ページ
次へ
すると… 「ひーじかーたさーんッ!!」 遠くの方から、甘ったるい男性の声が聞こえた と思ったら。 ガシッ ヒジカタとかいう男に抱きついた。 いや、正確には押し倒して喉元に刀を突き付けてる。 「何、子供相手にムキになってんだよ」 「沖田くーん、まずは刀をしまおうか」 新撰組、…恐い…… てか、ヒジカタってあの土方 歳三!? 鬼の副長と恐れられる!? だから、鬼に見えたんだ…。 んでもって、コッチの刀を突き付けてる美人さんは一番隊組長の沖田 総司ですかっ!? ヤバい、ヤバい、ヤバい!!! もしかして絶体絶命のピンチだったりします!? やっぱりココは嘘を吐いておいた方が身のため、か…? そうと決まれば… 「ごめんなさい! 僕、昨日この辺で落とし物しちゃったみたいで……。ホントにごめんなさいっ!」 頭を下げて、チラッと2人を見る。そんな航は、必然的に上目遣いになるわけで。 この表情を見た沖田は… 「可愛い~!」 語尾にハートが付きそうな勢いで抱きついてきた。 (ぐ、苦じい……っ!) 「総司。その辺にしとけ。ソイツ死んじまうぞ」 「えっ、嘘!? ゴメンね!」 「ぶはーッ……ハァッ…」 沖田さん、馬鹿力だっ! マジで死ぬかと思った…。 てか、何で抱きついてきたの!? 俺、のみの心臓してんだから吃驚するだろーがよぅ! 「僕ね、可愛いモノ大好きなのっ」 「へー、そうなんですか~。…って、あんたも読心術使えちゃう人っ!?」 親父といい、沖田さんといい……。何故俺の周りの人は読心術を使える人が多いのでしょうか? .
/162ページ

最初のコメントを投稿しよう!

111人が本棚に入れています
本棚に追加