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すると…
「ひーじかーたさーんッ!!」
遠くの方から、甘ったるい男性の声が聞こえた
と思ったら。
ガシッ
ヒジカタとかいう男に抱きついた。
いや、正確には押し倒して喉元に刀を突き付けてる。
「何、子供相手にムキになってんだよ」
「沖田くーん、まずは刀をしまおうか」
新撰組、…恐い……
てか、ヒジカタってあの土方 歳三!? 鬼の副長と恐れられる!? だから、鬼に見えたんだ…。
んでもって、コッチの刀を突き付けてる美人さんは一番隊組長の沖田 総司ですかっ!?
ヤバい、ヤバい、ヤバい!!!
もしかして絶体絶命のピンチだったりします!?
やっぱりココは嘘を吐いておいた方が身のため、か…?
そうと決まれば…
「ごめんなさい! 僕、昨日この辺で落とし物しちゃったみたいで……。ホントにごめんなさいっ!」
頭を下げて、チラッと2人を見る。そんな航は、必然的に上目遣いになるわけで。
この表情を見た沖田は…
「可愛い~!」
語尾にハートが付きそうな勢いで抱きついてきた。
(ぐ、苦じい……っ!)
「総司。その辺にしとけ。ソイツ死んじまうぞ」
「えっ、嘘!? ゴメンね!」
「ぶはーッ……ハァッ…」
沖田さん、馬鹿力だっ! マジで死ぬかと思った…。
てか、何で抱きついてきたの!? 俺、のみの心臓してんだから吃驚するだろーがよぅ!
「僕ね、可愛いモノ大好きなのっ」
「へー、そうなんですか~。…って、あんたも読心術使えちゃう人っ!?」
親父といい、沖田さんといい……。何故俺の周りの人は読心術を使える人が多いのでしょうか?
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