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その後は「探し物を探すから」と、あの二人と別れた。
別れる際の沖田さんは、土方さんに引き摺られるような感じだったけど。
「いやー、まさか新撰組の主力のお二方に出会うとはねぇ。」
一人呟く航。
闇雲に歩いていると、遂にお目当てのモノを見つけた。
「これが“堕天使の仮面”…」
初めて見るソレは、装飾された宝石が美しく輝き、その中に秘められた力強さも見てとれた。
「キレイだな…。てか警備、薄すぎだろ……」
この美術品の周りは、新撰組の隊員と思われる人間が四、五人いるだけ。俺が歩いてても、一瞬こちらに目を配るだけで手を出してこない。
まぁ、沖田さんか土方さんのどちらかが話してくれたのだろうけど。
グゥ~
ちょうどその時、腹の虫が軽快に館内に鳴り響いた。
「…と、とりあえずご飯……」
こうして航は、朝食を食べるために美術館をあとにしたのだった。
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