-出陣-

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───屋上─ 「やっぱ変装は必須だよなー」 時間にして5分ほど前。 航は新撰組の隊士として変装し、館内に紛れ込んで仮面を盗んできたのだ。 「いやー、バレてなくて良かっ……」 「何がバレてないって?」 「!?」 後ろを振り返ると扉の傍らに、土方 歳三。 (また背後とられた…) 「お前が怪盗フロードだな?」 「そうだけど…」 変装して顏も変えてるのによく分かったな。 ふと、そんな思考を巡らせた瞬間… 「ッ!!」 一気に間合いを詰められ、後ろは地面、前には鬼神が居るではないか。 「ちょ、手首が痛いんですけど」 「痛くしてるんだから当たり前だろ?」 新撰組では人を押し倒すことが流行ってるんですか? 「観念するんだな」 そう言って土方が手錠を掛けようとした瞬間、命の危険を感じた航の中で、何かが弾けた。 (…っ……熱、い…) 心臓が抉られるような感覚に気を失いそうになる。 「ぅ、あ゙ぁぁぁぁっ!!」 そして痛みが引き、正気に戻った時に、ふと気付く。 …もう一人のオレが身体の中にいるということに。 .
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