-継承-

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ガラガラ... 「来たぞ、親父ぃー」 ───ヒュンッ 「おわっ!?」 「パピーと呼べ、といつも言っているだろうがァァァッ!」 「恥ずかしくて呼べるかァァァァッ! てか、クナイなんて危ない物、平然として投げてんじゃねーよ!」 親父の部屋に入った途端に投げられたクナイ。 避けたは良いが、そのせいで庭にある木が真っ二つになっているのは……… まぁ、見なかったことにしよう。 「で? 用事は何?」 「…は? ……おぉっ! 危うく忘れるとこだった」 「………」 今、軽く殺意が芽生えたからね、俺。 「突然だが……」 「何だよ。勿体振るなよ」 「お前、今日から怪盗やれ」 「突然すぎだろーがよ」 衝撃的なことを言われた気がするが、ホントに突然すぎて頭が着いていかない。 「俺のあの地獄の様な毎日はこの為だったってところか……。というか、何で怪盗なんだよ?」 「話せば長くなるんだが……」 そこで言葉を区切る親父。 緊張して強張る俺の身体。 唾を飲み込む音が部屋に響いた。 「なんかさー、先祖から代々受け継がれてきたんだよね」 「は? 長い説明は?」 「んな文章力が俺にあると思ってんのか、バカヤロー」 どうしよう。すごく殴り殺したい。いいかな……? いいよね? ね?
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