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息を切らせながら声のする方目指して必死に駆けた。
期待と不安が混ざり合う。
嫌な予感の方が大きい。
だが、微かに見えた希望に縋るしかない
そこには沢山の人が居た。建物もあった。
人々の声で賑わっていた。
よかったー……
「全然良くないし!!」
虚空を切るように叫んだ。
沢山の人達の視線が刺さる。
その目は人間を見ている目つきじゃなく変なものを見ている目をしていた。
人は沢山居るし、賑わっている。
でも違う。
みんな変な髪型してるし。
テレビか何かで見たちょんまげとかいう奴だと思う。
男のくせに超ロン毛の男もいる。
変な勘違い男はモテないと教えてあげたい。
そうだ、しいていうならここは
江戸時代ー……?
そんな感じだった。
前に学校の研修で映画村に行ったときの景色に良く似ている。
……嫌なというかあり得ない考えが脳内を遮った。
そんなわけないわ。
それを認めたくないわたしは、激しく頭(かぶり)をふる。
人々は挙動不審な行動をちらちらと盗み見るも関わりたくないと言うように目を逸らしてしまう。
だれもがわたしを認めていない、そんな感覚を覚える。
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