時空の波

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「おい、あんた。」 ドキッと心臓が痛くなった。 ゆっくりと振り返る。 そこには3人の男達が居た。 しかも、ひとりは超イケメン。だが、超ロン毛だ。 勿体無い?? かおりの彼氏のゆうくんもイケメンだったけど、それ以上に格段上だ。 すっと通った鼻筋。 キリッとした瞳と眉毛は、見つめられたらとろけてしまいそうだ。 こんなに美しい人間を見たのは初めてだった。 見とれていると、そのイケメンが問うた。 「お前異人か?」 「…………??」 何を聞かれているのか分からず、阿呆面で首を傾げた。 すると、男達は困った顔を見せて、何か相談し始める。 聞き耳を立ててみるとこんな内容だった。 「ちょ、隊長如何しますか?」 「お前ちょっと、話しかけてみろよ。」 「えっ?!僕メリケン語分かりませんよ!」 「なら、お前が…。」 「隊長が話しかけて下さい。隊長でしょ?」 「うっ!」 「そうですよ、隊長!頑張って下さい。」 「…ち、お前ら後でしばく。」 みたいな感じの会話だった。メリケン語ってなんだろう。 隊長と言われていた、イケメンは背筋を伸ばして深く深呼吸すると、緊張した面持ちでこちらに向き直った。 「えっと……、じ…じゃぱにぃず、すぺーくおぉけぇ?」 一生懸命英語らしき言葉を話すが、あまりにもそれは可笑しくて、つい吹き出してしまった。 イケメン君と後ろのふたりはあっけらかんな顔をしている。 「ぁは、あははは!! うけるっ!!あははっ!」 「何笑っているんだよ!!」 真っ赤になっている顔も可愛かった。 「だってー!あんたのその…が……! ぁはは!ウケるんだもんっ!」 三人が目を見開いたのが分かった。何をそんなに驚いているのか分からない。 しまいには、 「お前……、日本語しゃべれるのか……?」 なんて当たり前な事を聞いてくる始末だ。いや、普通に喋れるでしょうが。 生まれも育ちも日本なんだから。 「はぁ……?!当たり前じゃん?日本人だし。」 こう言い返すと、また三人は驚いていた。 「えっ!嘘だろっ!?」 「嘘じゃないって。今あんたと喋ってるでしょ。」 そう言うとイケメン君はわたしの髪の毛と、目を指差した。
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