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「とにかく来い!!」
腕を強く引っ張られた。
「いったあぁ!!
辞めてよ、離して!!」
強引さに腹が立ち、怒鳴って抵抗を示す。イケメンだからって何でもしていいと思うな。
瞬間、首筋にひんやりとした感触が走った。
恐る恐るそこへ視線を向けると、キラリと鋭い光沢を放つ刃物がそえてあり、あと少しこちらへ押しこめば首が飛びそうである。
「ぎゃひぃぃいっっ!!」
驚きのあまり変な声が出た。
それは、さっきから気になってたお腰のモノかな。聞きたくても恐怖で聞けない。
あれ、わたしの勘違いかな。あれ、頭がこんがらかって何が何だか…。
「…それって、偽物だよね……?」
イケメンは不敵な笑みを浮かべた。
「試してみるか……?」
首筋に少し刀を食い込ませると、鋭い痛みがあたしを襲った。
真っ赤な生暖かい雫がポタっと地面に滴り落ちる。
「!!!!」
声を上げることなく、恐怖に慄きそのまま気絶してしまった。
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