衝突事故

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早々と時は流れる。 放課後も近づき、帰りのホームルームが終わった。 皆それぞれに帰る支度を始める。なかにはひとつの机に固まってグループでお喋りを楽しむ生徒も数人いた。 「志乃! これからマック行こ。」 親友の彼女は帰り支度が済んだらしく、スクールバックを左肩に引っ掛けわたしの方へと寄ってきた。 「うん、いいよ。ちょっと待ってて。」 ゆっくりと準備していたわたしはまだ終わっておらず、少しの間待ってもらう。 かおりは頷くと知り合いを見つけそちらへと寄って行き、数人で楽しそうに話していた。横目でそれを確認し、急いで教科書やノートを鞄に詰め込み、教室のドアの所で待つ彼女へと近寄る。 かおりは満面の笑みをあたしに向けた。 「じゃあ、早く行こ! まじ、お腹すいたー。」 今時な女子ふたりで他愛もない事を話しながら教室を出て行く。
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