プロローグ

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 ̄ 水平線の向こうから陽がのぼる。 今まで見たことがない。 これが……日の出というものか。 巨大な光の球体が少しずつ空へとのぼり、世界が光に包まれ朝が来る。 今まで知ることなどなかった。 知ることは赦されなかった。 我等が決して持ち得なかった世界の奇跡とは……こんなにも美しいモノだったのか。 腕の力を、強めた。 ようやくこの手に抱きしめたものを、離してしまわないように……。 ……もう、思い残すことは何もない。 俺はやっと、太陽を手に入れたのだ――。 _
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