3 現実と妄想

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3 現実と妄想

その日の放課後。 部活を休んだ私は、屋上に居た。ボヤーッと空を見ている。 「―中学からの付き合いだけど。いつから関係持ってたのかなぁ?」 なんて、口に出してしまって…ヤバいと周りを確認する。 「居ない。よし。」 と言って、また自分の世界に入った。 初めて見た、男同士のキスシーン。 もっとムサいもんだと思ってた。志乃達が読んでるBL漫画や小説よりもやっぱり、リアルだった。まぁ…リアル(現実)なんだけど。 「まぁ…声を聞いたからかな?」 思い出す。 先輩の声。 顔の赤み。 息遣い。 ヤバ…。 ドキドキしてきた。 「同性も異性も関係無いじゃん。相手を想う気持ちも艶っぽさも。」 言ってて、益々ドキドキしてきた。 「帰ろ。」 と立ち上がる。
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