173人が本棚に入れています
本棚に追加
「あ。居たぁ!」
階段を下ってると、志乃が走りながら寄ってきた。―何があったんだ?
「会長が探してたよ?」
「…私は、何も聞かなかった。」
言いながら、クルリと方向転換して屋上へ再び向かう。
嫌な予感がする。
「ダメよ!必ず連れて行きますって約束したんだから。」
「不必要な約束なんぞするな!」
つい、志乃を叱ってしまった。いや…あたったんだな。
「南巳→。」
私の制服を掴んで離さない志乃に、降参してボヤく。
「正直、不幸だ…。で、何処で待ってるって?」
パアアと明るい表情になって、志乃は言った。
「生徒会室!」
忌まわしき名前だ…。
志乃よ。もう…絶対に約束するなよ?
生徒会室に呼び出しなんて!
と
心中で1人、呟いた…。
最初のコメントを投稿しよう!