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彼女がここに通うようになってもう一週間がたつ。
ガチャッ。
カラン カラン♪
「マスター、こんにちわ。」
午後4時過ぎ。
彼女は平日はいつもこの時間に訪ねてくる。
「やあ、いらっしゃい。待ってたよ。」
私は彼女に向かって微笑んだ。
「にゃあ。」
私の脇から茶菓が顔を出した。バタバタとせわしく尻尾を振っている。
「ははっ、茶菓も待ちどうしかったようですね。」
「ふふふっ。そう、私も会いたかったわ。」
いつも通りの微笑ましい光景だ。ついこの間までは予想もできなかった事だと思う。だけど、彼女はやっと私たちに心を開こうとしている。
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