♯2 カモミールティー

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ふと顔をあげると机の上に置いてあるカッターが目に付く。私は机に近づいてカッターを手に取った。出したままだった刃が右手の小指を傷つけた。 でも、そんなこと私は気にしない。 私は左腕を剥き出しにした。その腕にカッターの刃を押し付ける。冷たい感触がした。 そう、私は【リストカッター】。 今日、私が失敗した分だけ私を傷つける。 ザクッ 「これは授業中に問題が答えられなくてクラスメートに迷惑をかけてしまった分。」 ザクッ 「これは先輩をイラつかせてしまった分。」 ザクッ 「これは私が今日誰かに迷惑をかけた分。」 みんな、本当に御免なさい。 悪いのは私。 誰も責めたくなんかない。誰かのせいなんかじゃないの。 悪いのは私なの―・・・・・・
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