19人が本棚に入れています
本棚に追加
「なに??」
女の子が口を開く。
涙は溢れてきているが、瞳は真っ直ぐに僕を見ている。
僕は少しうろたえた。
「あ、いや…、こんなとこで…その……泣いてたから…」
自分でも情けなるくらい歯切れの悪い答えだ。
「心配…してくれたの??」
「いやっ、べ、別にそんなんじゃなくて……気になっただけ」
終わりのほうはもう投げやりだった。
僕はここで去るわけにもいかず、女の子の隣に腰を落とす。
なぜだろう。
まだここにいたかった。
.
最初のコメントを投稿しよう!