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楽しく遊ぶ三人の子供。幼い頃からずっと一緒だった二人に、一人の友人が増えたのだ。
幼い子供に時間など必要ない。
直ぐに、三人は仲良く、親しくなっていった。
それから、幾年か経った頃。彼らの周囲は争いに呑まれていた。
共に遊んだ広場も、森も、彼らの前から無惨に崩れ去る。どうしてと泣く三人も、それぞれの親に連れられその地を去った。
一人の少年は戦火に肉親をも奪われた。
一人の少女は自らの片足を失った。
一人の少年は争う術を与えられた。
彼らの村だけでなく、街も、国も、すべてが戦へと足を踏み入れる。
家族を失った少年は絶望と憎悪に苛まれ、肢体の一部を欠いた少女はこの世界に哀しみ、戦に身を置かされた少年はどれほど傷だらけになろうと立ち止まらなかった。
天からの恵みは、薄汚れた煙のせいで黒く穢れていた。
ようやく人々が疲れきった頃、少女は生まれ育った村へ帰ることができた。どれほど崩れ、汚れ、壊されていようと、少女は帰ることができたのだ。
涙を流しながらも辿り着いた少女は、欠けた足を庇うようにして小さな丘へ座り込む。よく三人で遊んだそこには、恐らく戦乱後に置いたであろう石があった。
中央に「K」と刻まれたやや透き通った石を手に、少女は慟哭する。
噂を、聞いていた。それは本当にただの噂でしかないし、人づたいに聞いたものでしかない。だが、少女は確信していた。
ある、小さな小さな村。三人が住んでいた村より更に小さなそこに、一人の少年が項垂れるように座り込んでいた。枯れ木や辺りに散らばる肉片など目に入っていないのか、ただ呆然とする少年に、一人の老婆が近付く。
危ないよ
逃げなさい
ここにいては
早く
断片的にしか聞き取れなかったが、少年は気にしなかった。が、ふと生温いものが頬に当たった気がする。嗄れた叫びが、聞こえた気がする。
ふと顔を上げた彼は、老婆の血に濡れる兵を目に捉えた。眉を歪めることもなく、ただぶつぶつと呟く少年に兵は醜く声をあげ、息の根を絶とうとする。
その前に、兵の胸を煌めく剣が貫いた。
今度こそ眉を歪める少年に、既に死体となった肉体から剣を抜く少年はゆるりと笑う。
それを見た少年は、冷たくなっていく肉体の腰にある刃を抜き取り、笑む少年に突き刺した。
再会と安全を願った友とも気付かずに。
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