ユートピアⅢ

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欲望の形態は万物不偏とは限らない。 例えば徒競走を例示しよう。 どこぞのアフォな小学校、幼稚園では手を繋いでみんなでゴールなどいうヴァカな事をしている類もあるが、本来、足の速さという極めて単純なルールで勝敗を決める。 しかし、福沢諭吉が説いたように、“天は人の上に人を作らず、人の下に人を作らずといへり(言うが)”、実際は産まれの差や、才能の差というものは確実に存在する。 そして、人と競い勝つことが至上の幸福と感じるものがいる。 では、人と競い負けることを至上の幸福と感じるものがいるか? いるかも知れないが、その徒競走の相手全てがそのはずはない。 ここで、足が速いという人に対して嫉妬や妬み、もしくは負けた事に対しての屈辱を感じる。 それは幸福ではない。
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