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「ん…朝から走ってきてどうしたんじゃナナシ殿?」
「…なんでもない」
言えない…道を間違えて恥ずかしかったから走ったなんて言えない
朝日が山から顔をだし、霧はすでに晴れていた
「依頼書を見せてくれないか?」
「おお、実はそのことで話したいことがあったのじゃよ」
「…なんだ?」
「本来、依頼書はハンターの好きなように選べるのじゃが…ここにはハンターは今ナナシ殿しかおらん」
ああ、話はわかった
小さい村にはよくある話だ
「つまり出来るだけ村に近くて害のあるモンスターから狩れと?」
「そういうことじゃ」
こんなのはよくある話だと師匠は言っていた
ハンターが少ないと遠い狩場に行かせてもらえないと
理由はもちろんハンターが遠いところに狩りに行っている間に村にモンスターが襲ってきたら村は最悪の場合、滅びるからだ
良くても被害はかなりでるはずだ
だからリスクを減らすために村はハンターを近場で狩りをさせる傾向がある
「今、古龍観測所より東のシャトー密林でドスランポス率いるランポスの集団が確認されておる」
ランポスの群か…なかなか厄介だな
やつらは一匹一匹は大したことなくても集団となると一気に厄介さが増す
まぁ時間はかかるだろうが問題はない
こんなの師匠の修行に比べたら楽すぎる……確かランポスといえば4匹のドスランポスと50匹以上のランポスの相手をさせられたな…足を縛られたまま……止めよう、思い出すのは
「どうしたんじゃナナシ殿?やはりランポスの群れはキツいか?」
「いや、それは大丈夫なのだが…ちと嫌な事を思い出してね…」
村長はわからないのか首を傾げてた
「で、出発はいつにするかの?」
「昼前に出発するから受注のサインを書いといてくれ」
「わかった昼前じゃな」
「じゃあ準備して来る」
俺が出た後村長はニヤニヤして家の奥へと入っていった
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