首を絞めろと嘆き叫ぶ恍惚

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首を絞めろと嘆き叫ぶ恍惚

   世界は優しさと冷酷さを兼ね備えていることに気付いて幾年間。優しさとは名ばかりの偽りの世界と、赤裸々に全てを曝し、偽らない裸の世界の両方の丁度中間の位置(人々は其処を狭間と呼んだ)に生を置いた者は悉く自我崩壊、或いは精神衰弱していった。そこまでに至る経過を唯救う訳でもなく見つめていた。瞳には感情が映ることはない。何故なら、私にとっては至極どうでもいい事だったからだ。  と、数年前は思っていたが、そう言えなくなってしまった、現実。      
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