戦が終われば雨が降る

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「何で倒さなかったのさっ!?  これ位、突破出来たでしょ!?」 焦ったように怒りながら、声を荒げて俺を叱りつける佐助。 ー―目尻に薄く涙が浮かんでいる。 「っ…」 気づきはしたが、利き手を動かそうとする度、鈍い痛みが走るだけで何も起こらない。 パタッ、パタパタ…。 其れでも動かそうと力を入れていたら傷口が開いたのか数滴、血が垂れた。 「ちょっ!怪我してるの!?」 それを見たのであろう。 佐助が顔色を変えて近づいて来た。 素早く俺の腕を掴み傷口を見る。 結構深く抉られた傷は痛々しく後を残し、未だに血を滲ませていた。 それを確認した佐助は、布を取り出し、傷口に縛り付ける。 「いっ!」 縛られた痛みに声を洩らすと佐助は更に力を入れた。 「な、何をするのだ佐助ぇっ!」 力を必要以上に入れられたことに、涙目になりながら痛みを訴えると、 「旦那を…、守るのが俺様の仕、事なのに…」 佐助が遂に溜めていた涙を零しながら言ったのだ。
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