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「彼方さん曰く……
‘一読者として、説明から入る小説は小説ではない。また、小説を名乗るのなら、箇条書きにした小説など小説たる価値があろうか。舞台で演じぬ台本書きなどは小説たる価値があろうか。小説にくくられること恥と思え!!!’」
う゛っ!!なにもそこまで否定しなくても……。
明らかに狼狽した様子を見せたココロ……一体どうしたことであろうか?
不思議そうに舞台を照らしまくる照明のあたりを見上げ、道化師は気にせず先を続けた。
「『説明から入る小説は小説ではない』
これね―、もったいないよね!だってさ、1頁目でネタばらしだもんね。それがまださー、深いネタならまだしも浅い設定だけ公開して物語の中に何の伏線もつながらないんじゃつまんないって宣伝してるようなもんだよね!深い設定があれば数十頁は稼げるのにね!!!箇条書きにするならそれを地の文で表現すれば世界観がでるのにね!まぁ、それを織り混ぜるのが難しいんだけどさ☆
『小説を名乗るのなら、箇条書きにした小説など小説たる価値があろうか』このへんとかまさにそれを表してるよね?
『舞台で演じぬ台本書きなどは小説たる価値があろうか』
うーん、これはね、台本書き批判というよりは……」
おい、道化師!このバカ!やめんかそこのくそバカ!
……ココロの必死の抑制にもかかわらず、道化師はお馬鹿さんにもとうとうと語っていた。
「ワタクシには何で台本書きが携帯小説にあるのかがわかんないんだよね。あれってそもそも、舞台とかテレビでお客さんに見せるときは「」内の会話文と、身ぶりや舞台とかのセットで世界観を作り込んでるでしょ?台本書き小説読んでると、会話文の中に話し相手の名前が出てこないんだよね。一対一で話してるならまだしも、3人とかでもさ。それに身ぶりとか視線表現がかかれてるならまだしも、ないのが多くて分かりにくい!」
……カーット!!道化師に違反罰則規定!他著作者有毒批判禁止規定違反により、3000回の腹筋運動罰則!!!!
「ははーん、他人をあからさまに批判なんかするからだよ馬鹿だなぁwww」
「こらっ、汚い言葉を使うをじゃありませんよ坊や」
隣に座る息子を見やり、偉そうにごちた息子の頭をぺちっと軽く幼子の頭を叩いた父は、息子を挟んで反対側に座る妻の優しい目を見つめた。口元だけで笑うと、舞台に視線を戻した。偉そうな(息子の観察眼も否定できない)道化師を見守る為に。
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