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「はぁ~あ、台無しだようワタクシの大演説。でもね、これから面白くなるかもしれないから、気に入った方はよろしくね!」
パンパン、と偉そうに道化師は肩口のあたりで手を叩いている…まぁなんとも偉そうでめんどくさい道化師である。
「ちょっとぉ!!いくらこの間ココロちゃんのお菓子勝手に全部食べたからって扱い酷すぎるよ!?」
ちなみにこの道化師がいう「お菓子勝手に全部」は、チョコレート一袋にポテトチップス一袋だ。紹介が遅れたが、私はナレーターのココロ。よろしく頼む。
「………ごめんなさい。もうほんとに謝るから許してください…これ終わったらすぐに買い直しますから…しくしく」
…道化師は舞台の上で一人寂しく泣き始めた。
「…ちょっとかわいそうかな」「食の恨みは深いからねぇ。私だってあなたが私のプリン勝手に食べたの知ったときは、冷蔵庫の前で一瞬殺意がわいたもの」
「え…ハニー?ごめん!ゆるしてえぇ」
「帰りにプリン10個ね」
殊勝な態度は世の美徳である。さて、罪を認めた哀れな者たちがその反省を忘れぬうちに、劇場側から注意事項を挙げよう。
この作品は、作者「そらのかなた」が本に対する熱意、批評に関するこだわり、作者と関わる上での注意事項やとんちんかんなダメダメ日常生活などがそれとな~く書かれているものだ。とはいっても、必要なければ読み飛ばしてくれて構わない。作者と関わりたい人もそうでない人も娯楽メインで読んでほしいという作者の願いがある。だからこそ小説として公開しているのだ。
「ねぇ~ココロ、退屈だからもういいでしょ~?ていうか、うるさいよもう堅苦しすぎ」
………………………わかった。最後の説明は頼んだぞ。
「あのね、一章ごとに完結する形をとってるから、読みたくない章とかは気軽に読み飛ばしてダイジョウブなんだ」
付け加えるならば、どこかの章を飛ばしても話が通じるように作者は気をつけるということだ。作者はかなりの飽き性だ。不定期なのは覚悟してくれ。
「さぁさ、物語のはじまりはじまり☆皆さんに楽しんでいただけますように☆」
…道化師に罰があたりますように…
「え」
閃光、ここにあり。
目映い光が舞台を包むと、巨大な雷が道化師に直撃した。後には何も残らなかった。
…食の恨みは、ココロ(弱冠21ナレーター)に全知全能の力を与えたようだ………ついでに、『退屈、うるさい堅苦しい』ていう暴言も。
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